2011/03/30

『もんじゅ』という名の”原発利権”に塗れた破壊兵器

もんじゅ中継装置回収へ、21日から準備 福井
 2011.2.19 02:33 産経ニュース

高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)の原子炉容器内に落下し引き抜けなくなっている炉内中継装置について、日本原子力研究開発機構は18日、回収に向けた準備作業を21日から開始することを明らかにした。

原子力機構は昨年12月16日から始めていた復旧工事の事前調査で、中継装置を炉内に誘導するための上部案内管など、中継装置周辺の設備を取り除く作業スペースが十分かどうかを確認。
21日からは、中継装置の引き抜き工事を円滑にするため、周辺設備に付いている配管を、前もって切り離す工事に入る。

春ごろまでに終了し、引き抜き工事に取りかかる予定。

また、平成20年に腐食による穴が見つかった屋外排気ダクトの取り換え工事についても、足場の搬入やクレーン設置のための準備作業を同日から並行して実施する。


◆高速増殖炉「もんじゅ」課長が自殺 トラブル復旧を担当、今月中旬から不明
 2011.2.22 11:26 産経ニュース

日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月に原子炉容器内に炉内中継装置が落下し、抜けなくなっている問題で、復旧作業にあたっていた燃料環境課の男性課長(57)が自殺していたことが22日分かった。

関係者によると、課長は今月14日、同市内の山中で遺体が発見された。
現場付近から遺書なども見つかったことから、自殺とみられるという。
今月中旬に行方不明になり、家族から福井県警敦賀署に捜索願が出されていた。

燃料環境課は、燃料交換などを扱う部署。
40%出力試験に向けた昨年夏の炉心確認試験前後からトラブルが多発している。
関係者によると、同課は国のヒアリングなどを受ける機会も多く最も忙しい部署。
課長も同部署の勤務が長かったという。

(転載終了)

これまで「もんじゅ」に関しては、何気(なにげ)にやり過ごしてきたが、数日前に不安に感じられている旨のコメントを投稿いただいたように、「もんじゅ」は”高速増殖炉”というよりも”プルトニウム爆弾”そのものである。
上記記事にあるように、「もんじゅ」の原子炉容器内に落下した炉内中継装置が引き抜けなくなっている件は、その文字面以上に極めて重大な問題である。
昨年8月に起きた事故の復旧作業にあたっていた燃料環境課課長が自殺(?)したことからも、その”深刻さ””重篤さ”が窺い知れよう。

同事故は、昨年8月26日、炉内中継装置(直径46cm、長さ12m、重さ3.3トン)をつり上げ作業中にこれが原子炉上に落下し、回収不能となっているものである。
要は、炉内より燃料棒を取り出すための装置が、マヌケにも炉に引っ掛かってしまってどうしようもない状態になっているということである。
これまでに何度も落下した炉内中継装置の引き抜き作業をおこなうも失敗の連続を繰り返しているのが実状である。

結果、燃料棒の交換が不可能となっており、現状、なんとか制御棒を突っ込んで炉の冷却状態を保っているという、かなり危険な状況にあるものと思われる。
即ち、本格運転もできなければ、廃炉にもできないという、”八方塞がり”状況である。

で、この「もんじゅ」の何が一番の問題かといえば、その名の通り「高速増殖炉」であり、燃料が高濃度プルトニウムであることと共に、冷却系に水ではなく液化ナトリウムが使用されている点である。
この液化ナトリウムというのが実に厄介な代物(しろもの)であり、水や空気に触れると爆発してしまう代物である。
即ち、現在、福島第1原発事故でおこなわれているような、放水による炉心の冷却などを行なおうものなら、忽ちにして大爆発を起こしてしまうということである。

そんな恐ろしい高速増殖炉が、福井県の敦賀に居座っているのである。
それが昨年8月のトラブル以降、”綱渡り”的に冷却状態を保つだけの対応がおこなわれているのである。
このような重大な危機に瀕している「もんじゅ」の事故についても、マスゴミ報道は異常なほど小さい。
これも根っこの部分では、福島第1原発事故の詳細情報の”隠蔽”に腐心する政府・官僚・東電ら「”原発利権”共同体」と同様の構図がその背景にあることは想像に難くない。


「もんじゅ」については、その他にも「地震プレートの真上に建設されている」、「そもそも構造的に地震等の揺れに弱い」、「高速増殖炉ゆえ配管類が複雑に絡み合い、構造的に地震に弱い」等、様々な点が指摘されている。
そして驚いたことに、「もんじゅ」の開発費用総額は2.4兆円にまで達しており、維持費だけでも年間500億円ものコストがかかっているのである。
ここに、どれだけ多くの利権(原発利権)が生じるかは、想像に難くないであろう。
原子力という、誰も真似のできないエネルギーを独占・特権化し、その”利権”を貪り食うゴキブリのような連中がいるのである。
(ハッキリ言って、スブスブ状態に違いないであろう。)

そればかりか、これだけのカネを突っ込んだにも関らず、開発当初よりトラブル続きのため、未だに発電した電気はゼロである。
まったくの”無用の長物””木偶(でく)の坊”である。

昨 年来、国庫の窮状により消費税増税等が喧伝されており、本日(3/30)の国会でも震災復旧財源について実に低次元なやり取りがなされているが、「子供手 当て」云々を論じる以前に、こんな馬鹿げたものに多額のカネを突っ込んで、結果、なんの成果もないという実に馬鹿げた事実を真正面から論じるべきであろ う。
以前に50兆円の赤字国債を発行したことが問題とされたが、”木偶の坊”「もんじゅ」の開発費用総額が2.4兆円という破格の数字であり、この1年分の赤字国債の5%近くの数字であることの意味をまずは考えろと言いたい。
今回の福島第1原発事故を機に、「もんじゅ」に係る問題について、霞ヶ関官僚がひた隠しにしている200兆円とも言われる”埋蔵金”(特別会計)と共に、国民に対してしっかりとした説明が必要であろう。

そして「もんじゅ」について更に厄介なのは、ただでさえ毒性の強いプルトニウムが、さらに高濃度で使用されており、臨界し易いことである。
「もんじゅ」にて使用されているプルトニウム量は、長崎原爆(約6キロ)の実に250倍以上の1.6トンというのであるから、立派な”核爆弾”である。

こんなモンスターのような代物が、福井県の敦賀にて、昨年夏より静かに燻(くすぶ)っているのである。
今は事故を起こした福島第1原発ばかりに目が行きがちであるが、この「もんじゅ」を含めて、原子力行政そのものについて、国民一人ひとりが真剣に考えなければならない。


最後に、本日(3/30)、”電事連の犬”海江田経済産業相がこの事態に至って尚「海外への原発輸出の継続」に言及したようであるが、まだ事態が収束した訳でもなく、この度の一連の事故対応にて日本の原発技術に疑問符もつく中、まったく勘違いも甚だしい発言である。
原発推進派がその”旗振り”をやめる気など毛頭ないという本音を曝け出したも同然の行為であり、本気でくたばって欲しいものである。

(転載開始)

◆原発輸出に引き続き意欲=海江田経産相
 2011/03/30 17:52 時事ドットコム
 
海江田万里経済産業相は30日の記者会見で、福島第1原子力発電所の事故が原発の海外輸出に与える影響について、「さらなる安全対策を固めていく中で世界の信頼を得られる道も付けられると思っている」と述べ、引き続き輸出を推進する意欲を示した。
 
政府は原発などのインフラ輸出を新成長戦略の柱に掲げており、今回の事故が今後の受注活動に与える影響も懸念されている。
同経産相は「こういう形で未曽有の原発危機を克服したと世界に対して報告したい」とも語った。

(転載終了)  

「馬鹿は死ぬまで治らない。」
浜岡、刈羽、六ヶ所・・・次から次へとメルトダウン起こし、大量の放射物質を拡散し全国民が被爆するまで、この国は原発をやめるどころか、推進していくことだろう。

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